レースの歴史

レースの歴史

Prologue

ファッションの流れに対応して、レースの種類も非常に沢山あります。ここでは、その中から代表的な物を製造機械別に4種類とり上げました。エンブロイダリーレース、リバーレース、ラッセルレース、トーションレースの4つです。

一見して良く似たレースであっても、価格に差があるのは何故か?それも4種類の機械の性質を知っていただくことで理解されることでしょう。

レースと言えば夏のものといった観念は、今やなくなりつつあります。伝統や形式にこだわりなく、好きな時に、好きな場所で自由にレースが着られるようになりました。さらに住宅や生活様式などの環境の変化はレースを寝装品からインテリア全般にまで利用されております。

今後も、レースはもっと巾広い分野に使われていくことでしょう。新しい用途の開拓は同時に皆様の利益に結びつくことでもあります。業界はこの目覚ましい技術革新と共に、限りない前進を続けていくことを願っています。

History

レースという言葉は、もちろん英語のLACEからきたものですが、その語源はラテン語のラク(LAQUEUE)から転じたとも言われています。この意味は「わな」とか「輪索」でレースが漁獲や狩猟に侯う網にその形状が似ていることから、この様に呼ばれるようになったのでしょうか。

レースの歴史をたどれば、紀元前の狩猟時代にまでさかのぼります。中世の手工業時代にレースは王侯貴族のもので庶民がレースを使うことを禁じた時代もあり、織物の「王様」の名にふさわしいものです。 14世紀末から16世紀初めにかけて、白地白糸刺しゆうはさまざまに発展し、16世紀初頭、麻地に刺しゅうしたレースは、より透ける方向が求められ、ほんとうのレースが生まれたのは1540年頃といわれています。それ以降これらのレースは、ベルギーのフランドル、イタリアのヴェネチア、フランスのアランソン、シャンティ等で発展してきました。

その後、18世紀に始まった産業革命を契機にレースの機械化が進み、経編機からボビンネット機が発明され、1813年にはジョン・リバーによって今日のレースの原型となっているリバーレース機が誕生しました。それからわずか20年後にはエンブロイダリーレース機も発明されています。

わが国の機械レースエ業は、大正時代末期に始まりました。きものの時代から洋装の時代となり、とくに第二次世界大戦後の衣生活の変化は活発なレースの需要を喚起しました。今やわが国は世界でも有数のレース産業国となっています。また、年々輸出入も盛んになりエンブロイダリーレース、ラッセルレースの輸出、リバーレースの輸入などレースの国際交流も大きく行なわれております。

Classification



レースには色々な区分や呼び方がありますが、主にエンブロイダリーレースを基準にして分類してみました。巾や大きさによってリバーレース、ラッセルレース、トーションレースいずれも大体同じ様な用途に利用されています。

<巾・大きさによる区分>
●広巾レース
●中巾レース
●細巾レース
●モチーフレース

<原料・素材や加工法による呼び名>
●綿レース、ケミカルレース、チュールレース、ストレッチレース、ナイロンレースなど

<用途別による区分>
●衣料用レース=アウターウェア(服地および服飾用)/インナーウェア(下着および附属用)/その他(スカーフ、ネクタイ、カラー、ハンカチーフなど)
●インテリア用レース=カーテン、椅子掛/テーブルセンター、テーブルクロス/その他装飾用
●そのほかに利用されるレース=ショール、パラソル、帽子、袋もの、寝装品附属用など

<柄や模様構成による呼び名>
●オールオーバーレース、ボーダーレース、スポットレース
●玉レース、車レース、梯子レース、中レース

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